Hana Uta

何気ない日常を大切にしたい。そんなあなたへ。綾戸智恵ニューアルバム「Hana Uta」

自身の体調不良に続いて起こったコロナウイルスのパンデミックで綾戸智恵は活動停止を余儀なくされ、息子と2人の日常生活が長く続くことになりました。感染拡大が落ち着いたと思ったらまた新しい波、あらたな変異ウイルスと活動再開もままならず、ただ、ただ時間は過ぎていきました。その間には3度の食事の準備や洗濯・掃除など今まで歌手活動と同時にこなしてきた家事に専念できたり、息子との葛藤があったり、長い間知人に預かってもらっていた両親から初めて買ってもらったピアノが自宅に帰ってきたり。そして迎えた最愛の母の死。

 

そんな生活の中にも音楽はありました。子供の頃、シスターから習ったピアノ曲や、お母さんに連れて行ってもらった浄瑠璃、お父さんに解説してもらった映画音楽。勿論、ジャズやポップス、ソウルやロックまで。そんな日常的に口ずさんだり、YouTubeで配信したり、自宅に帰ってきたお母さんに聞かせたりした歌をレパートリーにアルバムを作りました。タイトルの「Hana Uta」は”いつも何気なく口ずさんでいる歌”という意味もありますが、生活を彩る”花”や”華”の意味もあります。

 

そして、今回時間だけはたくさんあったので自伝的ライナー・ノーツにも挑戦しました。一旦立ち止まって、振り返って、考えて、前を見る。パンデミックを前向きに捉え、慣れない創作を楽しみました。結果出来上がったのがアルバム「Hana Uta」です。スタジオで新たに録音された作品としては2017年にリリースした「DO JAZZ Gokko」以来5年ぶりとなります。

 

アルバムはミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中曲「I Dreamed a Dream」で幕を開けます。名手・宮川純のオルガンをバックに、この曲の新たな解釈を引き出しました。初参加のドラマー・渡嘉敷祐一のいぶし銀なフィルで始まるフランク・シナトラの代表曲「That's Life」はグイグイと力強い推進力で、Apple Music Festival 2016での演奏が強く印象に残っているというアリシア・キーズの「If I Ain't Got You」は弾き語りでソウルフルに歌い上げます。

 

そして今回のアルバムの”芯”となるべく歌われたのが「Heritage」。デューク・エリントン作の家族のつながりについて歌ったこの曲は母の死を迎えた綾戸の家族への思いを歌った曲です。綾戸渾身のライナー・ノーツを読みながら是非とも聞いて欲しい1曲となりました。その他、今、この時代にもう一度歌いたかったマービン・ゲイの「What's Goin On 」、自身のリスタートと重ね合わせた「Let Me Try Again」、十八番のスキャットを軽快に聞かせる「Billie's Bounce」、ディストーション・ギターとヘビーなビートでブルース・ロックに挑戦した「I Love You More Than You'll Ever Know」、TV「徹子の部屋」出演時にも披露したゴスペル・ソング「His Eye Is On The Sparrow」(初回限定盤CDのみに収録)など、JAZZ、Blues、Gospel、Soul、Pops、バンドあり弾き語りあり、ギターやオルガンとのデュオあり。綾戸智恵が65歳でお届けする節目のアルバムが「Hana Uta」です。38ページに渡るライナー・ノーツ共々お楽しみください!


Songs

1. I dreamed a dream

2. That's life

3. Danny boy

4. Louisiana 1927

5. What's going on

6. If I ain’t got you

7. Billie's bounce

8. Heritage

9. What are you doing the rest of your life?

10. Let me try again

11. On green dolphin Street

12. You are the sunshine of my life

13. I love you more than you'll ever know

14. If I had you

15. I can't stop loving you

 

Bonus Track -ENCORE- (初回限定盤CDに収録)

16. His eye is on a sparrow

17. Singin' in the Rain


 Musicians

 

綾戸智恵 Vocal, Piano

鈴木正人 Bass(M2,5,7,11,13,14)

渡嘉敷祐一 Drums(M2,5,13)

山田玲 Drums(M7,11,14)

石井彰 Piano(M7,8,11,14)

宮川純 Hammond B-3 & Fender Rhodes(M1,2,5,13)

天野清継 Guitar(M4,5,9,12,13,)

Yonchan (塩谷博之) Soprano Saxophone(M5,7,8,11,14)

大矢朋広 Tambourine(M2,5)


Produced by 綾戸智恵 & 大矢朋広

Directed by 大矢朋広

Mixed, Recorded by 赤工 隆

Recording at ONKIO HAUS 1st(Dec.20.2021, Apr.16.2022)

Sony Music Studios Tokyo 1st(Nov.25.2021)2st(Dec.03.2021)

Additional Recording at SYN Studio (Apr.21.2022)、Studio Somewhere(Apr.26.2022)

 Assistant Engineers 飯村大貴(ONKIO HAUS)、川島尚己/ 杉下真奈美(Sony Music Studios Tokyo)

堀内陽平/ 石川実乃里(JOINT 1)

Mixed at Syn Studio

Masterd by 川崎洋(FLIAR)

Piano tuner 大豆生田 恩

 

Art Direction & Design 伊澤亮之

Photographer Bruce Osborn (ozone inc.)

大矢朋広 *Landscape & Recording Session Photos

Hair Make UP 赤間直幸( Koa Hole )

 Liner Notes 綾戸智恵

Additional text and All edits 大矢朋広

Product Coordinator 岡野正和(BootRock)

綾戸智恵マネージメント 田中美希(MYDO)


Hana Uta Photo Session

*写真をクリックするとキャプションが読めます。


さあ、レコーディング。 どうしてもサックスによんちゃん(塩谷博之)を呼びたかった。この人、奥さんのあっちゃんは私の生徒(デビュー前、私はピアノと歌を家で教えていたんです)。もう、とにかく底なしの優しさ、それは優しさというより強さと書いた方がいいかなぁ。2人は母の米寿のお祝いの時も来てくれました。認知症の母が「あああっちゃん」と言葉を発したのを覚えています。よんちゃんはたまに私が関西で歌った時、アルトやソプラノ・サックスを吹いてくれました。そして、あっちゃんと結婚してからは、なんというか、私の母を一番大切にしてくれました。ある時、アメリカにいる私に母が手紙を送ってくれました。「智恵ちゃん元気ですか。この前はあっちゃん達と淡路島に行って鯵を釣りました。楽しかったです。私の事は心配せず、アメリカで気をつけて日々を送って下さい」。書いていると今も涙が止まりません。今回は絶対よんちゃんに吹いてもらおうと決めました。

*ライナーノーツより抜粋(左の写真は原稿です)

 

私は2022年9月10日に65才になります。未来より過去の方が長くなりました。 そろそろ歌えそうだし弾けそうです。だって歳を重ねてネタ帳がずいぶんと重くなってきたと感じているからです。 さぁ、ここから始動するぞと。~中略~

私の「生きる」は完成するのではなくて、未完なりに「それじゃ、後はよろしく!」と続いていくこと。永遠ですね。それを私は今回収録した「Heritage」に感じました。このアルバムを聞き「面白い!」と思っていただけたらとても嬉しいです。*ライナーノーツより抜粋

*最新アルバム「Hana Uta」は当サイトにて予約受付中です。11/1(火)より順次発送になります。

*予約特典としてフォトカードを同梱いたします。

*また、当サイトでお買い上げいただいた方にはサインを入れてお送りいたしております。

*一般発売は11月末を予定しております。